2025.04.03
- 非常用発電設備
- 点検
非常用発電設備は、いつ必要になるかわからないものです。だからこそ、日々の点検・整備が必要になります。台風や地震など、身近で発生する自然災害を想定した備えは不可欠です。法令によって設置義務があるとはいえ、普段より点検・整備をきちんとやっておかないと、いざという時に起動・運転できず、一刻を争う事態に対応できません。
内部観察等の点検は、負荷運転により確認している不具合を負荷運転と同水準以上で確認でき、また、排気系統等に蓄積した未燃燃料等も負荷運転と同水準以上で除去可能であることが、検証データ等から確認できました。
負荷運転により確認している不具合を発生する部品の推奨交換年数が6年以上であること、また、経年劣化しやすい部品等について適切に交換等している状態であれば、無負荷運転を6年間行った場合でも、運転性能に支障となるような未燃燃料等の蓄積は見られないことが検証データ等から確認できました。
原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の無負荷運転は、ディーゼルエンジンを用いるものの負荷運転と機械的及び熱的負荷に差が見られず、排気系統等における未燃燃料の蓄積等もほとんど発生しないことが、燃料消費量のデータ等から確認できました。
換気性能の確認は、負荷運転時における温度により確認するとされていましたが、室内温度の上昇は軽微で、外気温に大きく依存するため、温度による確認よりも、無負荷運転時における自然換気口や機械換気装置の確認の方が必要であることが、検証データ等から確認できました。
消防法により、非常用発電設備の定期点検が義務付けられています。法改正により、平成30年6月から点検方法が強化され、点検を怠ると罰則の対象になることもあります。
非常時、発電機が確実に起動しないと、消火ポンプやエレベーターが停止するなど、避難・救助活動に支障が出ます。定期的な点検・整備により、非常時に発電機が正常に作動するよう、あらかじめ不具合を防止し、安全な避難を確保します。
長期間の未使用状態でも劣化や不具合が発生する可能性があります。定期点検や整備を行うことで、部品の劣化を防ぎ、予期せぬトラブルを未然に防止することができます。
災害時でもスプリンクラーや非常用照明などの設備が正しく機能すれば、消火活動や避難活動がスムーズに行われ、建物内の安全確保につながります。
設備の劣化や不具合を早期に発見し、緊急時の信頼性を確保するために重要です。
法令に基づき定期的な点検を行い、設備の長寿命化と安全性を点検します。
設置状況の確認 |
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原動機および発電設備の状態確認 |
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始動装置のチェック |
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制御装置の点検 |
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燃料および冷却水の確認 |
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排気系統のチェック |
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運転性能の確認 |
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消防点検報告書 別記様式第24(非常用発電設備)
消防点検報告書 別記様式第25(非常用発電設備+蓄電池設備)
非常用発電設備やUPS (無停電電源装置)の正常な動作を保証するための重要な試験であり、実際の運用環境で適切に機能するかを確認します。負荷をかけて運転状況を評価し、緊急時に人命を守るためのシステムの健全性を確保することが目的です。不具合が発生すると深刻なリスクにつながるため、コンプライアンス遵守と安全確保の観点からも、定期的な試験が不可欠です。
設備の劣化や異常の兆候を早期に発見し、故障を未然に防ぐための計画的な保全活動です。定期的な確認項目としては、冷却水や潤滑油、プライミングポンプの状態、冷却水ヒーターの機能などが含まれます。また、製造者が推奨する部品交換を行うことで、予期せぬトラブルを回避し、発電設備の安全な運用と長寿命化を実現します。
発電機及び蓄電池年間点検件数
約1200件